SunDMSのOS復旧設定を利用してLBXのユーザOSを復旧する

概要

 LBXのユーザOSで異常が発生し起動できなくなった場合、メンテナンスOSが起動します。メンテナンスOS起動時にSunDMSに接続可能な通信環境が用意されているとSunDMSのOS復旧設定を利用することでユーザOSのデータ復旧が可能です。

※本機能では通信量が数GBになる可能性がございます。ご注意ください。

構成

準備物

 SunDMSのOS復旧設定を利用してユーザOSの復旧を行う為には下記の環境やデータを使用します。

  1. SunDMSのアカウント及びSunDMSのLBXマネージドサービス契約
  2. メンテナンスOSでインターネット通信が行える環境
  3. SSHサーバ(Linux)
    • 用意したSSHサーバからバックアップデータを取得し、ユーザOSの復旧に使用します。
  4. パスフレーズ付きのSSH秘密鍵及び公開鍵
    • LBXはSSHサーバへのログインにパスフレーズ付きの秘密鍵を利用します。SunDMSサーバから対象のLBXに秘密鍵ファイルを配信してください。
    • SSHサーバにはペアとなる公開鍵を登録してください。
  5. バックアップ機能で取得したバックアップデータ

SunDMSの設定情報

 本設定例で使用するSunDMSのOS復旧機能設定は以下設定を使用します。

設定項目設定値例説明
ホスト名www.lbx-example.comSSH サーバのホスト名又はIPアドレス
ポート50022SSH サーバのポート番号
ユーザtestuserSSH サーバ側で設定しているユーザ名
ディレクトリ/home/testuser/backup_data/currentSSHサーバに保存されたバックアップデータの
ディレクトリパス

SunDMSのOS復旧設定

 SunDMSのOS復旧機能設定に以下のように設定します。
SunDMSへログインし、「OS復旧設定」を行うにはSunDMSマニュアルの「OS 復旧設定」をご参照ください。

SunDMSから秘密鍵ファイル配信

 LBXがSSHサーバにアクセスする為に秘密鍵ファイルが必要になります。
SunDMSへログインし、「ファイル配信機能」で秘密鍵ファイルを配信してください。
SunDMSでSSH 秘密鍵の配信をするにはSunDMSマニュアルの「SSH 秘密鍵のアップロード」と「ファイル配信」をご参照ください。

SSHサーバの準備

 LBXはrsyncを利用してSSHサーバからユーザOSのデータをコピーし復旧を行います。
その為、SSHサーバには下記プログラムが利用可能な状態に設定してください。

  1. sudoコマンド
    • 本設定例で登場するSSHサーバのユーザ「testuser」がrsyncを実行する場合に権限が必要になります。
    • 下記のようにsudoの設定ファイルを用意し、testuserが「sudo rsync」をパスワード無しで利用できる環境にします。
  2. rsyncコマンド
    • LBXのユーザOSのリカバリは、rsyncコマンドを使用しています。
      その為、SSHサーバにはrsyncパッケージをインストールしてください。
  3. バックアップデータの格納
    • LBXのバックアップ機能で取得したバックアップデータをSSHサーバに格納します。
    • 下記画像の例ではSDカードに保存されたバックアップデータを「testuser」アカウントのホームディレクトリの配下の「backup_data」ディレクトリにSDカードのデータ(/media/sd_card/内)をコピーしています。
      コピーした「current」ディレクトリがバックアップデータになり、リカバリ時のディレクトリ指定で「/home/testuser/backup_data/current」を指定します。

LBXのOS 復旧設定の動作確認

  1. メンテナンスOSがSunDMSに接続できる環境にある状態でリカバリを実行し、SunDMSのOS 復旧設定が「サーバに保存された設定」の場合、SunDMSの設定でリカバリ処理が行われます。
    リカバリの実行は「設定例」をご参照ください。
    ※リカバリが行われると現在のユーザOSのデータは削除され、バックアップデータの状態に上書きされます。